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身体障害者のありのままを見るということ。(劇団・態変の鑑賞)

f0213837_1134575.jpg  昨日、なんば千日前にある精華小劇場で、劇団・態変の「ファン・ウンド潜伏記」を観に行ってきた。劇団態変については本で読んだことがあり、在日コリアン2世の金満里さんが、青い芝の会の思想を起源にしつつ、障害者と在日コリアンという複合差別の立場で独特の演劇表現をされているということで、いつか観てみたいと思っていた。

 態変の舞台は台詞がない。障害者の身体表現と美術、音楽のみで構成されている。それは決して〈わかりやすい〉ものではない。約2時間、ひたすら身体障害者の動きだけを見て、我々は何を感じるか。これほど健常者の感じる心が問われる機会は無いかもしれない。

 今回初めて観劇して、まずは鍛えられた肉体に驚いた。役者によって、障害の重さや種類、体の特徴もそれぞれ異なっているのだが、それぞれの方法で、自分の身体をフルに動かして、踊ったり、怒り狂ったり、もがいたり。それがとても力強く、また機敏なのに驚いた。

 中でも、サンモを回しておられた役者さんと、特別エキストラ出演の、手足が無くて本当に小さな体の女性の舞台を這う姿には、心底驚いた。人間とは何なのだろうか、身体とは何か、魂とは何か、私は自分の価値観がひっくり返るような感覚に襲われた。

 チャンゴを叩く満里さんは、貫禄があった。どしっと構え、そして時々まわりを見渡して、微笑んでいるようだった。最後のプンムルは、みんな輪になって叩いて、踊って、本当に農楽の雰囲気が出ていた。プンムルのリズムを一緒に感じられる自分で良かったと思った。

 観客席は、最初から最後まで、しっかり姿勢を正して舞台に見入っている人が多かった。幕が閉じたとき、私の前の男性は立ち上がって拍手をしようとした。また、海外からわざわざ来られたのだろうか白人の男性は、舞台にかけあがって花束を満里さんに渡した。会場には一体感が生まれていた。

 ともかく、観に行って良かった。素晴らしかった。身体障害者のありのままをじっと注視するということは、ふだんなかなか無い。何か「奇異」な人を街で見かけたとき、じろじろ見ることはできないから、避けてしまう。そうではなくて、劇団・態変は、身体障害者のありのままを見よ、ひたすら見よ、と訴えているような気がします。それは健常者にとって、これまで信じてきた価値観を壊される辛い作業でもあるけれど、この訴えを、常に心にとめておかなければと思う。

 最後に「劇団態変の韓国公演を共に実現する会」の方からカンパの呼びかけがありました。3月の韓国公演予定にあたり、大勢の身体障害者の国外移動、舞台装置の運搬などに相当な費用がかかるそうです。興味をもたれた方は、観劇(~16日まで精華小劇場でやっています)とあわせてカンパのご協力を!!

☆態変公式サイト
http://www.asahi-net.or.jp/~tj2m-snjy/jtop.htm

☆金満里さんブログ
http://kimmanri.exblog.jp/

☆劇団態変の韓国公演を共に実現する会
http://tomojitsu.blogspot.com/
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by hwaja_piccolo | 2011-01-15 01:30 | 2010-2012の記事

在日コリアンやマイノリティの人権など。


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